更新手続きの流れ

更新手続きの流れ

今回は更新手続きについて書いてみました。

更新の種類

まず賃貸の更新の種類をご説明します。

【合意更新】

当事者間の合意により契約を更新します。法令上特段の手続きは不要で、期間満了までに協議をして契約条件を定めて合意をすれば良いです。書類作成は義務付けられていませんが、契約期間や契約条件を明確にしておく意味で、更新契約書を作成する事が一般的です。

【法定更新】

借主が継続を希望する場合、借地借家法の規定に基づく更新拒絶の要件を満たさないときには、当然に更新したものとみなされます。具体的には、①期間満了の1年から6ヶ月前までに更新をしない旨の通知をしなかったとき、②貸主側に更新を拒否する正当事由がないとき、③期間満了後に貸主が遅滞なく異議を述べなかったときです。また法定更新になった場合は、更新された期間は定めがないものとなってしまいます。

一般的には合意更新を行いますが、誤って更新手続きを失念して期限後に更新契約を行う場合、借主のタイプによっては更新料の支払いを渋る人が出てきますので(実際に何人かいました)、その点も意識をして更新手続きの計画はしっかり立てます。

更新料と更新事務手数料

次に更新料と更新事務手数料についてご説明します。

【更新料】

更新の際に借主から貸主に支払われる金銭で、川口市では賃料の1ヶ月分が一般的です。

法令には規定がありませんが、特約によって契約上の義務とすることができます。

ただ高すぎると裁判で負けてしまう可能性があるので、その土地の慣習として認められている金額が妥当です。

【更新事務手数料】

更新事務手数料は、当事者が更新手続きを不動産会社に依頼する場合に支払う金銭で、予め金額を設定する事が必要です。

設定金額は賃料の15~50%や、5千円や1万円の定額の会社もあります。

更新事務手数料は不動産会社に更新を依頼しない場合は不要です。

借主に長く住んでもらう為に、更新料を半分やなしにしたりする場合でも、更新事務手数料はかかってくるのでご注意ください。

更新時の連帯保証人への対応

普通賃貸借契約の連帯保証人(以下、保証人)は、更新後も保証をしないといけないことになっている為、今までは保証人の方の更新契約手続きは不要でした。

ただ借主に家賃滞納等がある場合や、基本的条件に変更がある場合(例えば賃料が上がる等)には、更新時に保証人への意思確認が必要です。

また契約が長期になると保証人と連絡がとれなくなったり、亡くなってしまっていたりするので、更新のたびに保証人に連絡を取り、意思と所在の確認を行う事が望ましいというのが今までの考え方でした。

ですが今回、民法改正で保証人の極度額設定が義務化されたことにより、2020年4月以降に更新契約をする場合は、保証人の極度額設定を行い、それを保証人に伝えて意思確認をしなければならなくなりました。

これを怠ると連帯保証契約自体が無効になる可能性もありますので、ご注意ください。

ちなみに極度額設定の金額の目安は賃料の6ヶ月~2年分くらいが妥当と考えれています。

更新手続きの流れ

一般的な不動産会社が更新時に行う手続きの流れです。

①貸主へ意思確認

 更新期限の約2~3ヶ月位前に貸主へ更新の意思確認を行います。

 賃料を上げたい等の希望がある場合理由を伺いますが、原則正当事由が無いと上げる  事は出来ない事と、もし正当事由があっても上げる事は容易ではない事はお伝えしま  す。

②借主へ意思確認

 更新期限の1.5~2.5ヶ月位前に借主へ更新の意思確認を行います。この時に更  新時にかかる費用を書面で提示する事が多いです。

 また貸主から賃料を上げたいという希望があった場合は、その事を伝えて意思確認を  します。

 逆に賃料を下げて欲しいという希望が出た場合は、複数回キャッチボールをしながら  条件をすり合わせていきます。

③更新条件が整ったら、更新は一般的には郵送契約なので、借主へ更新契約書と更新時  の精算書を発送します。

 来店契約の場合は来店希望日時を伺ってスケジュールを組みます。精算書は郵送又は  メール等で送ります。

④借主から更新契約書が返送され更新料が振り込まれたら、貸主に更新契約書を発送し  更新料から更新事務手数料を差し引いた金額を振り込みます。

⑤貸主より契約書が戻ったら、コピーを取って原本を借主に送り完了です。

更新のタイミングで入居者に退出交渉はできますか?

答えはYESです。ただあくまで交渉できるだけです。

以前、長年大家業をされている方に「○○○号室の○○さん6月に更新なんだけど、娘を住ませたいから更新しないで退去してもらおうと思っているんだけど、娘を住ませるのは正当事由になるよね?」と聞かれました。答えはNOです。

正当事由が認められるケースは少なく、実際のところだと借主が賃料等を何か月も滞納をしていたり、他の入居者や周辺の人に迷惑をかけていたりするケースです。

自分や娘が住むだったり、建物の老朽化のような正当事由と思いがちな理由で立ち退きを要求する場合、立退料を支払わないとなかなか納得してもらえないでしょう。ちなみに立退料の相場は新しい引越先の諸費用+引越代なので、賃料の5~7ヶ月くらいです。ただこれも借主が納得をしないと成立しないので、あくまでも目安になりますのでご了承ください。

ではまた!

大家さんの悩み事ご相談お待ちしております。

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不動産売却

この記事を書いた人

三浦 克友

代表の三浦克友(みうらよしとも)と申します。 1981年(昭和56年)生まれ、A型、川口市出身です。 プライベートでは妻と息子と娘と柴犬(黒)と賑やかに暮らしております。 最近の趣味は、エニタイムでの筋トレと球技全般で、ゴルフを始めました。 基本身体を動かすことが大好きです。 また自宅での役割が日用品の買い出しや洗濯なので、主婦目線にも自信があります。 不動産業界15年のキャリアから培った経験と知識とノウハウを活かし、川口市の在住の皆様と、これから川口市にいらっしゃる皆様のお役に立てる様に努力致します。 どうぞ宜しくお願い致します。